町医者の独り言
診療日記


目次

医師会とITの関わりについて

機内にお医者様はいらっしゃいませんか?

夜の街での救急蘇生術

クーラー病

医療保険法改正案採択

癌の告知

栄養剤について

はじめてホームページ作り

 


医師会とITの関わりについて

 森政権の頃、まるで流行り言葉のように、IT、ITと聞き慣れなかった略語が飛び交いました。IT=インフォメーションテクノロジーの略語です。この語意について解説すると難しい話になってしまうので、最近、普及してきていて、今や小学校の教材にも使われているコンピューターとその周辺機器を利用した情報処理技術と簡単に考えてしまいましょう。ITは今現在もその利用価値というのは日進月報に進化続け、多彩な事が出来るようになり、今まで手作業では不可能だった膨大な仕事をやってのけるのを可能にしてきています。ガリレオに時代は月にロケットに乗っていって、その上に立つなんて事は信じられない事だったと思います。でも、それをコンピューターの力を借りて人類はやってのけました。逆をいえば、コンピューターなくしては月面到着なんて到底不可能な事です。現在の経済社会においてのコンピューターの存在なくしては株の取引ひとつどころか、コンビニで缶ジュースひとつ手に入らない時代になってきてしまいました。

それでは我が医師会はどうでしょう?

 私は今年度より理事職を拝命して、医師会の仕事をするようになり、一際事務職との関わりも多くなってきました。医師会事務室を覗くと、私がまず驚いたのは書類の多さと通信量の多さです。さすが会員数500を越える大医師会で、数多くの委員会を抱え、県医、日医のみならず、関連事業所等をだからこそだなぁと感じ取りました。さらに驚いた事にそれをわずか数人の職員で処理をしてる事です。

 このITを医師会に活用した場合、利点とはどんなものでしょう?

この点について述べていきたいと思います。

まず、現状よりどのようなメリットを求めているかというと、「コスト削減」「資源節約」「速さ」「簡便さ」という事が要求されると思います。

通信という事例を取ってみます。現在、医師会より会員の先生方にお送りしているFaxの一斉同報を例にとって見ると、500以上の医療機関にFaxを発信するという事は、大変な作業で、一件に付き1分掛かったとしても500分以上、つまり8時間以上一人の職員を費やしてしまいます。しかも同時に発信する事は不可能になってきます。これに対して打開策として業者による一斉同報を行ってきました。しかしながらこれは楽は楽ですがなにせ業者ですからコストが掛かり過ぎてしまいます。では、高性能のFax機器を導入すればよいのか?FAX機能の送信では、高性能の新型FAX機器を導入したとしても、登録された宛先に順番に送信されてしまうため送信終了までに同じ時間がかかり、FAXも占有されてしまい電話回線がふさがり、各所よりの受信も不能になってしまいます。これでは使い物にならなくて、業務に支障をきたしてしまいます。そこでITの導入を考えました。パソコンのFaxソフトとISDNのデジタル回線を利用してのパソコンFaxです。従来はインターネット接続のために広く利用されていたでデジタル回線を利用する事によりこのソフトを利用することによって、電話回線の占有を解消でき、かつ、パソコンが自動的に発信してくれます。コストの面でも従来の業者による一斉同報の2割で通信する事が可能となりました。でも、これが最終手段ではないと思っています。インターネットを利用しての「メール」での通信も将来的方法だと検討しています。インターネットをご利用なさってる方はお分かりでしょうが、このメールを通信手段として活用すると、かかる費用はインターネットダイアルアップ接続料金に含まれるため医師会としては無料で発信できると考えます。メールは文書のみならず、画像や各種のプログラムやファイルも送信できます。いまや各企業ではほとんどがこのメールによっての通信が主流となっています。

 書類の山の対処はどうでしょう?

この宇医会報の例にとって見ます。過去の宇医会報は製本され、クラブ図書室に保管されています。巻数もかなりあり、スペースも重量もかなりのものだと想像がつくことと思います。これは我々医師会にとっては貴重な資料であり記録です。でも紙で出来ていますから、火災や水害の災害にあってしまったら失ってしまいます。これに対する問題の対処として、ホームページ委員会では「宇医会報のCD−ROM化」という事を手掛けています。過去の宇医会報を周辺機器を利用してパソコンに取り込み、それをCD-ROMに保存するという方法をとっています。方法ですと過去10数年分の会報がたった一枚のCDの中に収まってしまいます。また、複製も容易で各会員の先生の所にも保存でき、電子図書として活用でいる事と思います。

このように紙上にある文字をITによって電子の文字とすると膨大な量の情報が保存できます。たとえば、紙一枚ぎっしりに書きつめられた原稿がフロッピーディスクといわれる媒体だと12000枚分ほど、CDだとそのフロッピーディスクが600枚分、ハードディスクといわれるパソコンの内部にも装備されてるもので30GBの容量のものだと、約50枚分のCDが保存可能で、紙に相当すると、300億枚分の原稿です。書類の山はこの様にITを駆使する事により、解消される事は確実だと思います。紙資源の節約、コストという面でもとても有用な事だと考えています。

この他にも、経理関係、表、グラフ作成、ポスター、郵便物管理…、などなど、多彩の仕事をやってのけるはずです。

ネットワークという点でも、ものすごくメリットは出てくると思います。先生方が出されてる紹介状ひとつも患者さんに持って行ってもらうという状況がほとんどだと思います。レントゲン写真などもあったりして、結構大荷物になる事もあるんじゃないでしょうか?最近ではデジタルX−pが出現して来て、普及しつつあります。内視鏡の写真などもデジカメ的な保存方法が主流です。これらの端末より直接的にインターネットのメールを利用して、画像と共に紹介状を送ってしまう、また、そのようなネットワークの構築が望まれると思います。電子カルテ、レセコンなどの端末機器を統合して、医療機関を管理していくという試みも急速に開発されつつあります。ですから、このITの波に少しでも乗り遅れない努力が必要だと思います。まずは、パソコンと友達なることじゃないかと思います。いきなりパソコンで仕事をやってのけようとすると無理があるんじゃないでしょうか。まずはご自分の趣味やゲームなどから「触る」という事が一番だと思います。ITは便利!でも、それは技術者はそういうに決まっています。でも、ITを使うのは我々人間です。我々はそのITに押しつぶされないように、自分たちの出来る範囲のITを活用していく事が大切だと思います。人によっては必ずしも便利なものじゃないかもしれません。負担になる事もあると思います。上手に付き合っていけたら、より便利になると思っています。


内にお医者様はいらっしゃいませんか?

                         

 よく、ドラマなどで耳にするこの言葉、実際に遭遇するとは・・・。

かれこれ5−6年前、自院の診察室から離れた所、家内とオーストラリアへ新婚旅行に行った際の事です。 グレートバリアリーフの綺麗な海に行って、私は昔とった杵柄で、家内にいい所を見せようと、水上スキーをしました。スキーの腕は落ちていなく、華麗?にスキーをしてたのですが、船から引っ張るロープに腕が絡まり、また、船を操船していたオペレーターが後方見ていなかった為に十数秒間、引きずられて、右腕を怪我してしまいました。腕全体が内出血で3−4倍の太さに腫れ上がり、激痛を伴っていました。私は離島のリゾートにいたため、その島の診療所のドクターの判断で本土の病院にセスナで移送されました。本土といってもかなり田舎町の病院に丸1日、入院をしました。日本人などを見た事のないような田舎町だったので、病院のスタッフにとても珍しがられ、それが功を奏したのか、とても暖かい看護や言葉掛けを受けて、心強かったです。ともあれ、片腕を吊りながら、一応の旅行の日程を終えて、帰路の飛行機が離陸して、まもなくの事。「機内にお医者様はいらっしゃいませんか?」のアナウンス。丁度通路にいた私はすぐそばにいた客室乗務員に声を掛けました。「あのぉ、、、ぼく、内科医なんですが・・・。」客室乗務員に促されてその急病人のところに向かいました。患者さんは中学2年生の女の子でした。後で聞いた話なんですが、福島県のとある町の教育委員会が主催した移動教室のようなもので来ていた団体さんでした。その子は胸痛を訴えて、床で七転八倒していました。ただ事ならぬ痛み方に片腕を吊ったぼくだけではと思い、看護婦である家内を大急ぎで呼び寄せて、診察をしました。客室乗務員がドクターズキットなる医療用具のアタッシュケースを持ってきてくれて、診察してみました。胸痛、チアノーゼ、血圧低下、切迫呼吸・・・、どうやら自然気胸で緊張性のものじゃないかと判断しました。X線もない、こんな野戦のところでどうしよう!と一瞬迷いましたが、血管を確保、酸素投与をして、点滴チューブと血管留置針を利用して、水封式を作り、胸腔穿刺で脱気を決行しました。もしちがったら・・・、脳裏をそんな事が走りましたが、幸いにも患者さんはしばらくしてから痛みも和らぎ、バイタルも落ち着いてきました。その後、家内がバイタルチェックなどを受け持ってくれて、私は機長に呼ばれて、憧れのジャンボジェットのコックピットに状況を説明行きました。その後は客室乗務員の方たちは私たちファーストクラスの食事を提供してくれたり、ちょっと得した気分。患者さんの状態も落ち着いて、無事、成田まで到着して、手配しておいた救急車で病院に移送し、即、手術をしたそうです。客室乗務員の方々にとても感謝されました。その後、その子は元気に回復したそうです。しばらくしてその子から手紙とその子の家で作ったという野菜が届きました。普段の患者さんの回復に増した特別な喜びを覚え、医師冥利に尽きたという感じでした。 この旅行で、いろいろな経験をいっぺんにしました。異国の医療や救急体制に患者として触れたり、機内での医療行為なんて、めったに遭遇する事ない事に出くわしたり、自分自身がとても勉強にもなった珍道中の新婚旅行で一生忘れる事の出来ない思い出です。

 


の街での救急蘇生術

18日は講演会で東京に出ていました。帰宅途中、車で走行してたら、道端に若い女の子が倒れてて、人だかりになってました。見知らぬ顔を出来なかったんで、止まって診にいったんです。そしたら、急性アルコール中毒の様で、周りの人とみんなで歩道に運んで、様子を見てたら、瞳孔散大、脈蝕知なし、全身冷感、呼吸停止!いわゆる、ショック状態だ!ちょうど、警察官が来て、大至急、救急車を手配して、即座に人工蘇生術(CPR)を開始。5−10分後に気道に詰まった吐物が出たらしく、自発呼吸、心拍再開。その後、10分後、救急車が到着!救急救命士とともに、手当てして、救急センターに搬送、意識が回復して来て、一命を取りとめた様子だった。よかった!よかった!

救急救命士の方の迅速、且つ、正確の対応には感服するものがありました。彼らはこれが毎日の仕事なんですね。

医師冥利に尽きる出来事でした。いい勉強になりました。


ーラー病

クーラー病、よく聞く病名ですよね。実際にはそういう病名はないと思います。外の環境とクーラーの中の環境の差がストレスとして症状をだすのでしょう。対策は体を冷やさぬように、温度差は急激に変えないように、夏でも暖かいものを飲んでみる、などですね。


療保険法改正案採択

1997.5.7の衆議院厚生委員会で次のように可決されました。施行は本年9月の予定です。

・ 老人保険医療の外来通院の自己負担は、月に4回までが一回五百円の負担(5回以上からは何度来院されても負担なし)、入院の自己負担は本年が一日千円、来年が1100円、再来年が1200円となる。

・ 社会保険の本人の自己負担が2割となる。

・ 薬剤の自己負担は、日数に関係なく一回の処方につき1種類(薬価で205円までなら複数でも1処方と看做す。)までが無料、2〜3種類が400円、4〜5種類が700円、6種類以上が千円となります。

・ 中小企業のサラリーマンの保険料が0.3%引き上げられ8.5%に。

今回の改正は医療制度の改革から次元のことなる医療財源の問題へとすり替えられ、実は何一つ医療制度は変わっていないのです。(Dr.chou著)


の告知

癌の告知という問題。これは重要問題ですが避けては通れません。最近、癌の患者さんを二人発見しました。一人は39才の女性、乳癌です。彼女はとても気丈で女一人での独立心が非常に強い人でした。彼女が25才のときから知っていたので、彼女もほんとの事を隠さずにいてくれときっぱりいってました。大学病院に検査に行けと指示したとき、乳癌濃厚、要手術の告知しました。

もう一人の人は家族の希望で本人は病気に関してはかなり自分自身で疑ってるし、嘘をついても治療に非協力的になってしまうから、現在手術が有効ならば告知しようと言うことにしてたんです。が、その直前に自分自身で察知したのか、かなり落ち込んでいる様子で僕の前に姿を見せません。家族も行方が分からないそうです。

とても、難しい問題です!だから、告知というのはただ単に病名を告げるだけでは決していけないのです。告げるときも、インフォームドコンセントを盛り込み、家族との打ち合わせや協力を求め、なにより患者さんの医学的最良の方法だけじゃなく、一番幸せになれる方法を見つけ出してあげる事です。


養剤について

「最近、元気がないから栄養剤をください。」という患者さんが結構います。元々栄養をとって元気の出る薬なんてありません。医者は栄養剤と称して複合ビタミン剤を処方します。この複合ビタミン剤とはアリ00ンF、リポビ0ン、ユン0ルなどと主成分はほぼ同じ物です。水溶性ビタミンは眼精疲労や神経痛には有効です。が、直接元気を出ささせる作用はありません。これを飲むと元気が出るという暗示が主成分です。「病は気から」ですからこの暗示は非常に重要ですが、僕は患者さんに「栄養剤といわれるのはビタミン剤で飲んだ量の1000分の1だけが体に利用され、ほとんどはおしっこに出ていってしまうんだよ。直接元気はでないけど病は気からだからそれでも飲んでみるかい?」と判断を患者さん自身に促します。患者さんは今、自分で飲んでる薬を何なのかを知っておくべきです。栄養剤が複合ビタミン剤だったなんて後で知ってがっかりしてしまって信頼関係を崩しちゃお互いに損ですからね。


じめてホームページ作り

はじめてホームページ作りに悪戦苦闘しました。技術的に未熟なので苦労しましたけど、なんとかアップデートできるに至りました。内容的には頭の中に描いていたものがどういう風に表現したらいいか、困っています。文章力がないってことですか…これからもいろいろ構想を練ってみなさんの役に立てばとがんばっていきたいと決意を新たにしました。


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